石材店コラム

墓石はどのようにお手入れすればいいの?大切なお墓のお手入れ方法を網羅的に解説!

亡くなった親族やご先祖様が眠るお墓を、残された者が綺麗にお手入れするのが先人への礼儀というものです。しかしながら、これまで家族で受け継いでいるお墓掃除をついつい親まかせにしていて、いざ親が亡くなったときに墓石のお手入れの仕方がわからない、そういう方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、墓石はどのようにお手入れすればいいのか、その方法を網羅的に解説していきます。

1.お手入れの方法① :墓石掃除・お手入れのタイミングはお彼岸前・お盆前

墓石掃除をするべきとは言っても、墓地が実家にあって近隣に住んでいないと定期的な掃除は難しい場合も多いでしょう。しかしそうした場合にも、最低限掃除を行うべきタイミングは存在します。それが「春と秋のお彼岸前」と「お盆前」です。

お彼岸の時期にはあの世の入り口が開くといわれ、その期間に合わせて故人やご先祖を偲び、法会を行います。そしてお盆の時期には言わずもがな、ご先祖様がこの常世に帰ってくると言い伝えられています。こうした、故人とのつながりが深い時期、直接この世に帰ってくる時期には、ぜひお墓を綺麗にしてお出迎えしてあげましょう。

また、お彼岸とお盆はたくさんの人がお墓参りに訪れる時期でもあります。故人のみならず、たくさんの人の前に汚いお墓、みずぼらしいお墓をさらすのもあまりよろしくありません。近隣のお墓を手入れするご家族には不快に映る可能性もありますので、そうした意味でもこの時期にはきっちり綺麗にお手入れしておくべきです。

2.お手入れの方法② :墓の掃除は「下から上に」が基本

お墓の掃除をするうえで重要なのは、「下から上に」掃除することです。そして下から上に掃除したのち、再度下を掃除する、という手順をたどります。これには宗教的理由が関係していて、下というのは下界をさすことから、まずは下界を清める意味で下を掃除するのがならわしとなっているのです。

そうしたことから、墓石よりも前に、敷地内の全体的な掃除から取りかかることになります。草を取ったり、玉砂利を洗ったり、植木を整えたりするところからはじめましょう。お墓の雑草対策に除草剤を使うのは気が引ける人もいるかもしれませんが、除草剤は使ってもOKです。雑草対策として玉砂利を敷くことも一般的ですが、玉砂利はしっかりと洗浄しましょう。定期的に買い替えるというのも一つの手です。

その次は香炉、水鉢、花立の掃除を行いましょう。香炉の灰はそのままにしておくと硬くなってしまい線香が立てられなくなってしまうので、香炉灰を定期的に交換するか、あるいは灰ならしをしてやわらかい状態にしておくことが大切です。

3.お手入れの方法③ :まずは墓石に付着した汚れを取ろう

数か月間放置していた墓には、泥や砂などの汚れが付着していることが多いです。こうした汚れをさっさと取ってしまおうとそのまま磨いてはいけません。泥や砂といったものは細かい粒の集合体です。そうしたものを取り除かずに磨いてしまうと、墓石に盛大に傷がついてしまいます。まずは墓石に付着した汚れを確認し、大まかにでもそれを全体的に取り除く作業から始めるのが得策です。

まずは墓石の上についた砂やホコリ、チリなどをやわらかいほうきで落とします。墓石は一番上なので、それまでに下の敷地等の掃除ができていれば方向は問題ありません。ちゃんと汚れが落ちるよう、上から下に掃除していきましょう。

全体がおおまかに綺麗になったら、簡単には落ちないサビ、苔などを取り除いていきましょう。こうしたとき、基本的に金属でできたタワシは傷の原因になるので使わないようにしてください。石材向けの専用の洗剤が発売されているので、苔やサビといったものはこうした専門の道具で落とすようにしましょう。

4.お手入れの方法④ :水洗いをした後はしっかりと水分を落としておこう

外にあることが多く、雨ざらしになることも多いお墓に付き物なのが「水垢」の汚れです。水垢はお墓表面に付着した水分と、空気中のチリやホコリがくっついてしまうことで生まれるものです。水垢はなかなか落ちないので、家庭用洗剤を用いようとする方がいらっしゃいますが、これは墓石のシミの原因になるので、やめておきましょう。

水垢を取る際には墓石専用の洗剤を使うのがおすすめです。石は吸水性がある物質なので、液体の付着には敏感にならないといけません。素材を間違えるとすぐシミができて残りますので、要注意です。

水垢をある程度取り、そのあとサビや苔を落とす際にも専用の洗剤を使いつつ、全体から徐々に細かい部分を、筆や歯ブラシといったより細かい道具で汚れを取り除いていきます。そのあとで墓石全体を水洗いします。水洗いの際は水道水を使いましょう。地下水は、サビの原因になる鉄分を多く含んでいる可能性がありますので逆効果になってしまいます。

当然、お墓掃除の際の水洗い後にそのまま放置してしまうと新たな水垢が発生してしまいますから、新たな水垢の付着を避けるべく、掃除が終わったらしっかり水分を落としましょう。

5.まとめ

以上、墓石のお手入れの方法について、そのタイミングや方法をなるべく網羅的に、手順に沿って解説しました。お墓は先人の眠る静謐な場所であり、宗教的な事由も大きく関わっているものですから、あまり雑に扱わず、手順を守って丁寧に掃除することをおすすめします。

先祖代々の墓は定期的にお手入れして見栄えよくしておかないと、自分がいざそこで眠るとなったときも不快ですし、あまりに荒れるに任せていると、近隣のお墓に植木がかぶってしまうなど迷惑になる場合もあります。あまりにもお墓が遠い場合や、足腰が弱くなりお墓のお手入れに行くのすら大変になってしまう場合などは、お墓掃除の代行業者に依頼する方法もありますので、お墓の掃除はなるべく欠かさないようにしましょうね。

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