石材店コラム

墓石の石材にはどんな種類がある?代表的な石材とそれぞれの特徴を解説

お墓は何十年何百年と家族が訪れる場所なので、故人との思い出をきれいに保てるような墓石を選びたいものです。はじめて墓石を購入するとなると、まず考えるべきことは『どんな石材を選ぶのか』でしょう。

しかし墓石に使われている石材の種類は非常に多く、個人だけではなかなかみわけられるものではありません。そこで今回は墓石に使われる代表的な石材の種類をはじめ、それぞれの特徴を徹底解説いたします。ぜひ参考にしてみてください。

1.墓石を選ぶときのポイント

まず墓石を選ぶ際のポイントを、簡単にチェックしておきましょう。お墓を建てる霊園の環境によって、それぞれ最適な墓石は異なります。しかし一般的には、以下の3つの点を重視して選ぶことで、長くお墓をきれいに保てるといわれています。

・耐久性に優れているかどうか
・耐水性はどのくらいあるか
・十分な硬さがあるか

地震や水害の多い日本ですから、耐久性や耐水性が最も大切です。しかし質のよい石材は必然的に価格があがるため、かけられる費用と相談して決めてみましょう。

2.国産石

日本には各地の風土の影響を受けた、さまざまな石材が存在します。どれも美しく地域のあたたかみを感じられるものばかりなので、きっとあなたにも心惹かれる石がみつかるはずです。こちらの項目では、日本で使われている代表的な石材の種類をみていきましょう。

2-1.庵治石(あじいし)

首相官邸の石庭や広島の原爆慰霊碑にも使われているのが、この庵治石といわれる石材です。その名の通りどこか味のある厳格な佇まいが特徴で、白い石成分が緻密に混ざりあってさまざまな表情をみせてくれます。

希少価値が非常に高いため価格もそれ相応ですが、一度手にとって近くでみてみるのがおすすめです。耐久性や硬さに関しても一級品なので、長い間美しい状態で墓を保てます。

2-2.真壁石(まかべいし)

全国的に流通が多い真壁石は、白っぽい石をベースに黒い斑点が光るクセのない美しさが特徴です。磨けば磨くほど輝きをますため、手入れをしっかりと行うことで次第に味がでて、美しくなるともいえるでしょう。ちなみに石目が細かいほど、価値があがるとされています。

一定の採石量があるので、高品質を保ちながらも手に入りやすい価格をキープしています。ベーシックなタイプとして、こちらを基準に石材選びをしてみるのもおすすめです。

2-3.万成石(まんなりいし)

岡山の地から採石される桜色が華やかで美しい万成石には、日本人の心をあたたかくする温もりが感じられることでしょう。硬さや耐水性にも優れているため、海や湖に近い霊園にお墓を建てようと検討する方にもおすすめです。

その個性的で華やかな色あいから、多くの著名人の墓石としても親しまれています。

2-4.浮金石(うきがねいし)

東京駅の建築石にもなっている浮金石は、日本を代表する漆黒石のひとつです。黒のなかにふわりと浮かぶような金色が魅力といわれています。全国的に根強い人気を誇っていますが、供給が追いつかない現状です。希少価値が高く、価格も安価ではないと考えてよいでしょう。

3.輸入石

今や世界各国から、多くの種類の石材を輸入できるようになりました。「国産の方がよい」という意見をもつ方もいますが、一概にそうといえるわけではありません。海外の石にも異国の地を感じられる、それぞれのよさがあり、比較的価格も安く購入できます。この項目では、日本で人気の海外の石材をご紹介します。

3-1.ファイングレー

スウェーデン産のファイングレーは、耐久性・耐水性・強度のすべてにおいて、高い品質を誇る高級石材です。艶やかな黒が厳格で美しく、訪れる人を魅了してくれます。しかし多くの需要があるものの、十分な供給ができないとして、ここ数年は希少価値とされる存在になっています。

3-2.M1-H

M1-Hは緑の石をベースに、黒が混ざりあったような色味が特徴的です。インド産の高品質な石材のひとつで、艶が非常に長持ちするのも魅力のひとつです。ちなみに墓石には黒やグレーをはじめ、赤や緑などの鮮やかな色もあります。いずれも縁起のよい色なので、気にせず好きな色味を選びましょう。

3-3.G623

G623は日本の稲田石に似た模様が特徴的です。アイボリーとグレーが優しい雰囲気を感じさせる、中国産の人気石材です。どのようなお墓の形にもマッチするため、幅広く使われています。価格もそこまで高くないため、費用を抑えたい方にもおすすめです。

4.まとめ

石は私たちと同じように、日々呼吸を繰り返す生きものです。手入れを怠った状態で風や雨に打たれればひんやりと冷たくなり、湿気を帯びて苔が生えてしまいます。そのためどんな墓石を購入しても、あなたの定期的なメンテナンスが必要です。自分の体と同じように、疲れている様子であれば労わり、汚れていたら掃除をしてあげることで、きれいな墓石が何十年と続きます。

ぜひ本記事を参考に、ずっと大切にできるような石材を選んでみてください。お墓を大切にすることは、家族を大切にすることにつながります。

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